ミノキシジルとは
まず、ミノキシジルとは薬の名称ではなく成分の名前です。 ミノキシジルはアメリカで開発され、もともと高血圧の患者に対して血圧を下げるための薬として使用されていました。しかし、ミノキシジルを服用した患者の多くに髪の毛や体毛、眉などが濃くなる多毛症の副作用が現れたため、臨床試験を行った後に発毛剤として使用されるようになりました。
ミノキシジルの効果
ミノキシジルは、女性の薄毛の中でも大半を占める「びまん性脱毛症」や「FAGA (女性男性型脱毛症)」に効果的です。
なぜミノキシジルの服用で毛が増える?
ミノキシジルには”血管拡張作用”があります。そのため、ミノキシジルを服用すると血流が良くなり、頭皮や体の隅々まで栄養や酸素を運ぶことができるようになります。その結果「髪の毛が太くなった」「髪の量が増えた」などの発毛効果を実感することができるのです。
血流が悪いと髪はどうなるか
髪の毛は頭皮にある毛母細胞という部分で細胞分裂が行われることで生成されますが、その細胞分裂に必要な血液中の栄養・水分・酸素は生命を維持するために重要な箇所から優先的に運ばれています。例えば心臓や内臓ですね。
血流が悪い、また栄養や水分、酸素が不足していると、それらは生命維持に重要な箇所にまず運ばれ、髪の毛や爪などには運ばれないため、抜けがが増えたり爪が割れるなどの症状が現れてくるのです。
女性用ミノキシジルの特徴
男性用ミノキシジル外用薬と女性用ミノキシジル外用薬の明らかな違いは、ミノキシジルの含有量です。男性用はミノキシジル濃度5%が有効とされていますが、女性用の濃度は1%です。アメリカでは5%の配合が認められていますが、日本では臨床試験が行われていません。
濃度ができるだけ濃いほうが早く薄毛を改善できるのではと思いがちですが、男性と女性は薄毛の原因もホルモンバランスも異なるため、濃度が高いものを服用すると副作用の危険も高まってしまいます。女性が男性用を服用することは危険ですので、女性用ミノキシジルを服用することをおすすめします。
ミノキシジル配合 女性の薄毛治療外用薬
ミノキシジル配合の女性用育毛剤の代表的なものには、大正製薬から販売されている「リアップリジェンヌ」という外用薬があります。日本皮膚科学会が認めた女性用育毛剤で、クリニックでも処方されますが、ドラッグストアでも購入することが出来ます。
リアップリジェンヌの主な成分
リアップリジェンヌは、ミノキシジル+3つの頭皮環境を整える成分から出来ています。
- ミノキシジル
(血管を拡張させ、毛包に髪を生み出す力を与える) - パントテニールエチルエーテル
(毛細胞に栄養を補給し、頭皮を健全な状態に保つ) - トコフェロール酢酸エステル
(かゆみ・フケの原因となる皮脂の酸化を防ぐ) - l-メントール
(頭皮のかゆみをおさえる)
リアップリジェンヌの価格
クリニックで処方してもらう場合、それぞれ価格が異なりますが、インターネットやドラッグストアでも購入可能でその場合1本4500円から6000円前後で入手することができます。
ミノキシジル(リアップリジェンヌ)の副作用
ミノキシジルを配合する代表的な女性用外用薬「リアップリジェンヌ」を服用することで起こりうる副作用は下記の症状です。
初期脱毛
通常髪の毛は「成長期・退行期・休止期」というサイクルで生え変わっていますが、薄毛抜け毛に悩まされている方の多くはこのヘアサイクルが乱れてしまっています。初期脱毛とは、新しい髪の毛が生えようとする際に古い毛が押し出され、一気に脱毛する現象です。抜け毛を見ると不安になりますが、これは頭皮の細胞が活性化し始めたサインと考えましょう。
頭皮のかぶれ
頭皮の血流が良くなることで、かゆみやフケ、発疹が出ることがあります。
頭痛・めまい・胸の痛み
血管を拡張させることで動悸や胸の痛み、頭痛などを感じることがあります。ミノキシジルの服用で血圧が下がることもあるため、高血圧、低血圧または循環器系の持病をお持ちのかたは注意が必要です。
手足のむくみ・体重増加
ミノキシジルを服用することで肝臓・腎臓などに負担がかかり、その機能が弱まってしまうため、むくみや体重増加などの症状が現れる場合があります。
ミノキシジルを服用してはいけない人
ミノキシジルは未成年への臨床試験が行われていないため、未成年は服用してはいません。血管拡張作用があるため妊娠中・授乳中の方も使用をおすすめできません。
また、ミノキシジルはAGA・FAGAなど壮年性脱毛症の治療に効果を発揮するため、それ以外の脱毛症(円形脱毛症など)の方にはおすすめできません。
気軽に購入できるからこそ注意が必要!
ドラッグストアやインターネットで購入できるため、自己判断で服用してしまいがちですが、女性の薄毛の原因は様々です。症状に合わない薬を服用してしまうと、かえって酷い副作用に悩まされ健康を害されることにもなってしまいます。 まずは医師の診断を受け、適切な薬を処方してもらいましょう。
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